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パーソナリティ障害とは

パーソナリティ障害とは B群パーソナリティ障害
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 パーソナリティ障害を取り上げる理由は、実際に被害に遭ったからです。私自身、過去に大学で知識として学んでいたにも関わらず、早期に見抜けずに対応が遅れ、甚大な被害を受けました。

 何かがおかしいと感じながらも耐え続けることで、かなり深い傷を負いました。回復するまでに年単位の期間を要しました。それでも後遺症はありますし、長期間抱えていくことになります。

 その『何かがおかしい』という感じを疑問に思い、持っていた書籍や論文などの文献を読みあさることで、パーソナリティ障害という概念に辿り着きました。中でもB群の存在を知った時、すべての体験に合点がてんがいきました。

 最初からこの概念を知っていれば、そこまで深い傷を負うことはなかったと確信しています。ですので、同じような苦しみを繰り返さないよう、情報を発信しようと決意しました。

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パーソナリティ障害とは

 アメリカの精神医学会が出版した、精神障害の分類書である『DSM』の分類によると、パーソナリティ障害はA~C群の3つに分類されます。

【A群】奇異型:風変わりで自閉的で妄想を持ちやすく奇異で閉じこもりがちな性質。

【B群】劇場型:感情の混乱が激しく演技的で情緒的。ストレスに対して脆弱で、他人を巻き込むことが多い。

【C群】不安型:不安や恐怖心が強い性質。周りの評価が気になりストレスとなる性向がある。

フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』:パーソナリティ障害

 これらA~C群の中にも、それぞれの特徴があります。

 A群は自分の内面にこもるイメージで、B群は他人を巻き込むイメージ、C群は自分の内面が周囲に影響され内にこもるイメージです。いずれも対人関係における障害です。

 各群の特徴の概要をひとつずつ見ていきましょう。

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A群のパーソナリティ障害とは

 A群のパーソナリティ障害は、以下の3つに分類されます。

  • 妄想性パーソナリティ障害(PPD)
  • 統合失調型パーソナリティ障害(STPD)
  • スキゾイドパーソナリティ障害(SPD)

 対人関係において周囲を巻き込むという意味では、積極的な働きかけはありません。独特(風変り)な雰囲気や言動があり、コミュニケーションを築くのは難しい傾向があります。

 各障害の大まかな特徴は以下の通りです。

  • 妄想性パーソナリティ障害(PPD):人に何かされるのではないかと異常なほどに思い込む
  • 統合失調型パーソナリティ障害(STPD):人に対する妄想があり人と関わろうとしない
  • スキゾイドパーソナリティ障害(SPD):周囲に対する興味と感情がない

 PPDとSTPDの主な特徴は、人に対する思い込みや妄想など事実ではないことが本人の中に存在しているところです。逆にSPDは人や社会などの周囲に対してそもそも関心が向きません。

 A群のすべてに共通するのは、人と関わりを持とうとしないことです。主観である自分の中の世界観でほぼ完結しています。

 ですので、雰囲気の独特さはありますが、周囲を巻き込んだりダメージを与えたりすることはほとんどありません。

B群のパーソナリティ障害とは

 B群のパーソナリティ障害は、以下の4つに分類されます。

  • 反社会性パーソナリティ障害(APD)
  • 境界性パーソナリティ障害(BPD)
  • 演技性パーソナリティ障害(HPD)
  • 自己愛性パーソナリティ障害(NPD)

 対人関係で害を与えるB群の存在を知らずに関わり続けると、最悪の場合、自らの存在を絶つところまで追い込まれます。人の自尊心や尊厳、自己肯定感を削ることに長けているからです。

 実際に体験した上で、その危険性を特に知っていただきたいのです。何も持たずに戦いの場に引きずり出されるのは、あまりにも危険過ぎます。学校や職場など生活場面の至る所で出会う可能性があります。

 各障害の大まかな特徴は以下の通りです。どんな風に巻き込まれるのかをまとめています。

  • 反社会性パーソナリティ障害(APD):暴言、暴力、犯罪行為など(サイコパス)
  • 境界性パーソナリティ障害(BPD):人の心を試すように振り回す
  • 演技性パーソナリティ障害(HPD):芝居がかった振る舞いや嘘で振り回す
  • 自己愛性パーソナリティ障害(NPD):理不尽な怒りや高圧的態度などで攻撃

 近年よく耳にする「サイコパス」という概念は、ここでは反社会性パーソナリティ障害に含めます。

 各障害を単発で抱えている人もいれば、複数抱えている人もいます。根底にある心理は共通していて、幼少期の自信のなさが影響していると考えられています。

 はっきり言ってしまえば、どれであっても違和感がありますので、「何かがおかしい」ことには遅かれ早かれ気がつきます。心身に何らかの被害が出るのは、「何かがおかしい」と気づいていながら、おかしい人と物理的距離をとる(離れる)ことができず、そばに居続けるからです。

 学校や職場、家庭、恋人・友達間などで離れる行動を選択できずに、心身がボロボロになるケースが非常に多いのです。 退職、異動、転校、別居、別れるなど、状況に応じて適切な行動を選択しましょう。

 離れられないのは、転校や転職などが難しいといった社会的制度や恥ずかしいなどの心理的要素の影響もあります。加えて、B群のパーソナリティ障害の人の特徴として、相手が離れる行動を選択できないよう、相手の心を巧妙に操作、支配することに長けていることも関係しています。

 ある程度の行動が取れるうちに、いかに早く気づいて対応できるかが重要になります。

C群のパーソナリティ障害とは

 C群のパーソナリティ障害は、以下の3つに分類されます。

  • 強迫性パーソナリティ障害(OCPD)
  • 依存性パーソナリティ障害(DPD)
  • 回避性パーソナリティ障害(APD)

 A群のように関わりを持とうとしないことはなく、人間関係を求めており、関係を築こうとします。かといって、B群のような周囲に攻撃的な意味でのダメージを与えるようなことはしません。

 ただ、周囲への働きかけはありますから、対人関係で起こり得る通常の感情(喜怒哀楽)は抱きますし、良い意味での迷惑を掛けることもあります。

 関係を求めていながらも、強い不安や恐怖を抱えているため、関係そのものが自身のストレスになるといったこともあるのが特徴とも言えます。

各障害の大まかな特徴は以下の通りです。

  • 強迫性パーソナリティ障害(OCPD):完璧にこだわり過ぎることで生活に支障が出る
  • 依存性パーソナリティ障害(DPD):人に対する依存が強過ぎることで生活に支障が出る
  • 回避性パーソナリティ障害(APD):不当な扱いを恐れ過ぎることで生活に支障が出る

 基本的に対人関係を求めていますが、その程度には差があります。DPDが最も強く(自分を見て欲しい)、次いでOCPD(積極的ではない)、APD(不当な扱いをされないと確信した時だけ)と続きます。

 程度の差こそあれ、人との関わりを持とうとしますが、主観である自分の中の世界観に影響され、スムーズに関係を築くことに困難さを抱えているのがC群の特徴です。

最も危険なのは

 A~C群のパーソナリティ障害をご覧いただいて分かりますように、周囲を巻き込んだりダメージを与えるという意味で、最も危険性が高いのがB群なのです。

 私はB群であるNPDとBPDの異常性を身をもって体験したので、巻き込まれていくメカニズムが体感としてよく分かります。初見で対応するのは不可能と言っても過言ではありません。でも、知識があれば大きく傷つくことは間違いなく避けられました。

 『他人を巻き込んだり、振り回したり、ダメージを与えたりする人はB群のパーソナリティ障害という概念で説明がつく』ということを知ってさえすれば、身を守ることができたのだという後悔もあります。

 その上でみなさんに伝えたいのは、B群のパーソナリティ障害を正しく知り致命傷に至る前に対応・行動して欲しいということです。

 人として何も悪いことをしていないのだから、理不尽な扱いを受け続ける必要はないのです。

 情報を発信する趣旨は、被害を受ける側の命を守るということに尽きます。当然ですが、パーソナリティ障害に対する差別的・批判的意味合いは一切ありません。しかし、その異常性については明確に区別する必要があります。そうすることで、被害を最小限にとどめることができるからです。

社会的認知の現状

 生活場面において、『B群パーソナリティ障害』の認知度はかなり低いです。そのため、相手に違和感を感じて近しい人に相談しても、「気のせい」とか「考え過ぎ」などといった言葉で片付けられてしまいがちです。

 誰が見ても「おかしい」と思うようなタイプなら良いのですが、他人が気づかないように巧妙に攻撃をしてくるタイプにおいて、特にそういった問題が起こりやすいのです。

 ですので、まずは『B群パーソナリティ障害』を正しくご理解ください(下部【関連記事】参照)。そして、状況が似ている場合には警戒してください。漠然とした「おかしい」という不安や怒りを抱えながら過ごすより、精神衛生上は断然楽になります。

 その後、ご自身が違和感や理不尽さを感じたり、強いストレスや怒りを感じたりして、『B群パーソナリティ障害』を完全に否定することができない状況であると強く感じたら、命を守る行動を選択してください。

【当カテゴリー記事の情報のご利用方法について】

 このカテゴリーでは、主にB群のパーソナリティ障害に関する情報を取り扱います。しかし、みなさんが周囲の方々を診断したり、当てはめて誹謗中傷するといったご利用の仕方は推奨しておりません。

 パーソナリティ障害であるか否かは問題でなく、そういった傾向のある可能性がある方(いわゆる予備軍を含む)の言動について分析をします。ご自身、そして大切な人の心身の健康を守るため、被害を最小限に抑えるためにご利用いただきますようお願いを申し上げます。

関連記事では、4つのB群パーソナリティ障害を詳しく解説しています。

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