【命を守る】他者攻撃による怒りの連鎖(NPD・APDとの関連) | ボクの人生、預かり所。

他者攻撃による怒りの連鎖(自己愛性・反社会性パーソナリティ障害との関連)

他者攻撃による怒りの連鎖 B群パーソナリティ障害
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 報道番組を見ていますと『報道番組 -(スポーツ+天気予報)= B群パーソナリティ障害』なんてことも珍しくない今日この頃です。

 当記事では、B群パーソナリティ障害(予備軍を含む)の他者攻撃による怒りの連鎖について取り上げます。中でも自己愛性パーソナリティ障害(予備軍を含む)を中心に、反社会性パーソナリティ障害(予備軍を含む)についても触れます。

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問題の構造

 B群パーソナリティ障害(予備軍を含む)が関係すると思われる事件や問題の構造はシンプルで、加害者が生み出す攻撃とそれによる被害者しか存在しません。

 当たり前なのですが、殴るから殴られる人が、腐す (悪意のある悪評をする) から腐される人が生まれるわけです。そういう行為をする理由は、B群の4類型により違いますので、そちらの記事(B群パーソナリティ障害の概要)をご参照ください。

 今回は『私を怒らせることをしたあなたが悪い!(だから殴っても腐しても怒鳴りつけても責め立てても怒りをぶつけても良い)』という主張の自己愛性パーソナリティ障害(予備軍を含む)の人間関係の構造について分析します。

 心理的特徴については、本記事では割愛します。詳しくは「自己愛性パーソナリティ障害:特徴」の記事をご覧ください。簡潔に書くなら「私は正しいし、非なんて一切ない。私の思うように行動しない(思い通りにならない)あなたが全部悪いんだから、あなたは駄目な人間であり、責められて怒られて当然なんだよ」という考え方の人です。

 以下の項目は、すべて自己愛性パーソナリティ障害が疑われます。通常、障害の診断は医師にしかできませんが、当ブログでは概念の説明のために使用しています。ですので、「障害傾向者と思われる人」、言い換えるなら「他人を攻撃することでしか自分の存在意義を感じられない性格傾向の人」とご理解ください。

 また、暴力や暴言、犯罪行為などが含まれるような場合には、自己愛性と反社会性パーソナリティ障害(いずれも予備軍を含む)の併発の疑いもあります。行為の残虐さの程度によっては、ふたつの障害(予備軍を含む)を抱えている可能性もあります。

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DV(ドメスティック・バイオレンス)

モラルハラスメント

 夫婦間で行われる暴力です。もちろん言葉による暴力(暴言)も含みます。言動により行われる精神的な嫌がらせのことを、モラルハラスメントとする考え方もあります。

 相手のことをボロカス言うのはモラハラです。「鬼嫁」という言葉もありますから、男女どちらも被害を受ける可能性があります。同程度の異常さを持っていない限り、必ず一方が滅入ります。

 ※定義的にはDV、モラハラに当てはまっても、何のストレスも苦痛もなく生活が送れているご家庭については、ここでは対象としていませんのでご了承ください。またそのことを批判するものでもございません。

 夫婦の場合、夫→妻と妻→夫のケース(【A】とします)が考えられます。

 理不尽な怒りをぶつけられた側が感じた「怒り」は心に蓄積し、くすぶり続け、他の人にぶつけたくなってしまう心理状態に陥ることがほとんどです。

 その怒りの連鎖をつなげるのも断ち切るのも自分次第なのですが、自分だけでは難しいものもあります。そのような場合は、医療機関など他者の力を借りながら、時間をかけて何とか断ち切りたいものです。

虐待

 親から子へ行われる暴力です。厚生労働省の区分では、身体的虐待、精神的虐待、ネグレクト、性的虐待とされています。

 暴力、暴言、人として扱わない、辱(はずかし)める、人格を否定するような言葉をかける、養育放棄、性的な行為をさせる見せるなどの行為はもちろん虐待にあたります。

 DVを子どもに見せるのは精神的虐待にあたります。精神的虐待もモラハラと似ている部分が多いですね。

 親子の場合、夫婦のDVを見て子どもが傷つくケース【B】(A←子)と、夫婦のDVが連鎖して子が虐待されるケース【C】(A→子)、単身の親から直接虐待されるケース【D】(父→子、母→子)が考えられます。両親がいて片親から虐待されるケースは【C】に、複数の子どもがいて虐待されない子は【B】に含めます。

 虐待を受けた子どもたちの全員が怒りを連鎖させるわけではありませんが、心身の発達に害を及ぼすなど悪影響であることは科学的に立証されており、間違いなく子どもの心にダメージを与えます

いじめ

 虐待を受けた子どもたちが(【B】~【D】)が学校に進学していきます。程度の差はあれ、自己肯定感は相対的に低いと考えられます。

 また、虐待とまではいかなくても、否定的な言葉ばかりかけられてきた子どもたちも、同様に自己肯定感は低いと考えられます。

 そして、いじめという形で、【E】(B・C・D→他の人)と広がっていきます。複数の子をいじめ、【E】の関係が複数できるケースもありますし、【F】(B・C・D→他の人→他の人…)と連鎖するケースもあります。

 特殊なケースとして、「虐待を受けた子ども」と「否定的な言葉をかけられてきた子ども」同士間でいじめが起きる場合があります(B・C・D→ B・C・D )。どちらも加害・被害の可能性があります。

 ですので、いじめを発見した場合、加害者がいじめの発信者ではないこともあります。いじめ行為は悪いことですが、いじめ加害者が被害者であることもありますので、教育関係の方々には慎重に対応していただきたいです。

 このようにして、怒りの連鎖は確実に広がっていきます。いじめられた子どもたち全員が連鎖させる訳ではありませんが、0でもありません。人間の心の仕組みからいえば、一定数の連鎖は仕方のない事です。

 教育関係者の心理スキルを高めて対応すれば、連鎖を減らすことができます。無策や放置では、傷ついた心や怒りの感情は拭いきれません。

 大人になるまでのどこかで心がケアされることがあれば、予後は少しずつ良い方向に変わっていきます。もちろん早ければ早いほど良いことは言うまでもありません。

問題行動など

 虐待(近しい環境を含む)をされた子や、いじめをされた子、否定的な言葉をかけられてきた子などが抱えている、怒りやストレス、自己肯定感の低さなどがあいまって問題行動を起こす子どももいます。

 親や教師に反抗的な態度をとったり、言うことを聞かなかったり、攻撃的な態度をとったりすることがあります。この程度で留まっていればまだよいのですが、問題行動や違法行為などに発展することもあります。

 暴力行為、器物損壊、万引き(窃盗)、徘徊、家出、飲酒、喫煙、薬物乱用、性的逸脱行為など。こういった行動をすることで、足りない何かを埋めようとしてしまいます。でも一生埋まらないことも分かっているのです。幼少期の親の愛情は二度と得られません。

 そういった満たされなさや怒りなどからそういう行動に走ってしまうのです。こういう形で怒りが連鎖することもあります。

 これも早い段階での心的ケアが必要だと思います。できれば行動に至る前にできると良いのですが、犯罪行為が常習になってしまうと医療機関などの専門家によるケアが必要となってしまいます。

パワーハラスメント(モラルハラスメント)

 虐待(近しい環境を含む)をされた子や、いじめや問題行動をしてしまった子どもたちが大人になり就職していきます。いじめと同じ構造になり、職場においてはパワーハラスメント(モラルハラスメント)と呼ばれます。

 【E】の関係(他の人に攻撃してしまう)が量産されるか、【F】のように職場内で連鎖するかのパターンが主に考えられます。悲しいケースとしては、いじめや問題行動などで「被害者」であった子たちが加害者になってしまうパターンです。【G】(被害者→他の人)

 【E】や【F】に限らず、なぜ【G】の関係が生まれるのか。前にも述べましたが、理不尽な攻撃(嫌がらせ)を受けると、大抵の人は怒りの感情を持ちます。その「怒り」は心に蓄積し、くすぶり続け、他の人にぶつけたくなってしまう心理状態に陥ってしまうからです。 理不尽にあけられた心の穴を埋めるように怒りは連鎖するのです。

 理不尽というのが問題で、被害者は何も悪いことをしていないし、常識として間違ってもいないのです。だから納得がいかないのです。

 そもそも職場の中に、虐待をする親が存在している可能性も考えねばなりません。職場では良い顔をしていても、家では鬼の形相なんてことが平気で起こります。職場でパワハラをして家ではニコニコしている人もいます(遭遇経験有)。もちろん職場でパワハラ、家で虐待という人も僅かですが存在します。

 怒りの連鎖が止まりませんね。パワハラ(モラハラ)の場合は、証拠を押さえて法的手続きも辞さない強い意志を持って対応しましょう。同時に医療機関などを受診し、精神状況を悪化させないようにするのも連鎖を断ち切る前向きな行動です。職場がパワハラを許すのなら、辞めるのも選択肢のひとつです。

クレーマー(カスタマーハラスメント)

モンスターペアレント

 これらも「自己愛性パーソナリティ障害(傾向者を含む)」です。小さな問題に怒りながら食ってかかる姿は異常です。例え社会的に大きな問題だとしても、怒り狂って怒鳴り散らしたり、物に当って壊したり、暴力行為が伴う場合などは異常性を感じます。土下座を強要するのも異常です。

 怒りの表出の仕方が異常な人が多い印象があります。とにかく目の前にいる人をこき下ろして、自分が正しい(上である)ことを主張する傾向があります。

 会社や学校、団体などへの怒りもあるのでしょうが、それを目の前の個人にぶつけることに執着するような傾向があります。

 インターネットやSNSなどでも意見を装って人を腐す(悪意のある悪評のこと。短所や欠点をとにかく悪く言う、けなす)人がいます。この場合は、見なければストレスになりません。しかし、個人的に攻撃(個別にメッセージを送ってくるなど)してくる場合もあります。内容が法に触れる場合には、スクリーンショットを保存するなど証拠を残すようにしましょう。

 怒りをぶつけられた人もまたその怒りを連鎖させてしまう可能性を抱えてしまいます。理論的に間違っていないこともありますが、理不尽な言い方をされて何も感じない方が難しい話です。

 こちらもひどい場合は、映像や音声などの証拠を残し、毅然と対応しましょう。ミスなどの指摘事項に見合わない程の理不尽な怒りをぶつけられているはずですから。

世代間連鎖

 「自己愛性パーソナリティ障害(傾向者を含む)」の親から子どもへ連鎖する怒り。被害に遭った子どもから他の子どもへ連鎖する怒り。その被害に遭った子どもから他の子どもに連鎖する怒り。そしてまた次の怒りへと……。

 被害に遭った子どもたちが、大人になった時に他の大人や子どもに連鎖させる怒り。その被害に遭った人が連鎖させる怒り。そしてまた次の怒りへと……。

 「自己愛性パーソナリティ障害(傾向者を含む)」の大人から大人へ連鎖する怒り。被害に遭った人から他の大人や子どもに連鎖する怒り。その被害に遭った人たちから他の人に連鎖する怒り。そしてまた次の怒りへと……。

 連鎖して膨れ上がった被害者の数だけ生まれる怒り。それは時代も世代もすべてを越えて永遠に連鎖を繰り返します。

 連鎖を減らすためにできることは、「自己愛性パーソナリティ障害(傾向者を含む)」の心理的傾向や言動の傾向を正しく知ることです。知っていれば、致命傷に至る前に自身や大切な人を守る行動がとれるからです。理不尽な攻撃に何も持たずに立ち向かうのは、自らを傷つける危険な行為であることを知りましょう。こんなことで人生を無駄にしてはいけません。

連鎖を止めるには

 「自己愛性パーソナリティ障害(傾向者を含む)」が原因である、DV、モラルハラスメント、虐待、いじめ、パワーハラスメント、クレーマー、モンスターペアレント、子どもの問題行動(二次被害)など。

 生み出した被害者が加害者に変わり怒りを連鎖させてしまいます。それが0でない限り、ねずみ算のように、あっという間に膨大な数に増えていきます。

 今世の中の生き辛さの原因は、「自己愛性パーソナリティ障害(傾向者を含む)」が生み出す怒りだと言っても過言ではありません。

 物事を否定的に捉え、ミスや間違いなどを必要以上に叱責する。欠点や短所に注目して悪く言ったり、けなしたりする。自分の思い通りに行動しない人を悪く言う、攻撃する。恐怖や威圧で人を動かそうとする。とにかく自分が上であり正しいと考えている。

 挙げればきりがありませんが、本気で解決を目指すのなら答えはひとつ。『「自己愛性パーソナリティ障害(傾向者を含む)」の方が自分の異常性に気づいて医療機関を受診すること』です。

 これが難しいことであるのは明白ですが、これ以外に根本的な解決方法はないと考えます。

 児童相談所が虐待のある家庭に関与したり、学校でいじめ対策(スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーなどの配置)をしたり、職場でパワハラ・モラハラ対策をしたりするのは、いずれも対症療法です。問題が起きてからの対応になってしまいます。

 もちろん、抑止力で被害者を減らしたり、心の傷をケアしたりすることには大きな意味があります。一歩踏み込んで、問題が起きた時の加害者に対するケア(受診や認知行動療法など自分の行動特性の理解を促す……[軽度なら改善の可能性も])までした方が、結果的に被害者をさらに減らせます。難しい問題ではありますけど。

 それでも、みなさん自身や大切な人を守るためにできることをしてください。

 理不尽な怒りをぶつけられたり、攻撃をされたりして「何で?」「おかしくない?」「腹が立つ!」など納得がいかない言動をされた時には、必ず信頼できる人に相談してください。

 色んな手を使って、あなたの自信や自己肯定感を削ってきます。あなたの存在を否定する権利は誰にもありません。人と人は対等です。何を言われてもあなたが人として下ということは絶対にありません。

 離れたり逃げたりできるのなら、逃げてください。それが『正しい選択』なのです。全力で人や相談機関などを頼ってください。それが命を守ることにつながります。

 みなさんの周囲の方々にもぜひお伝えください。お子さんやお友達の話を良く聞いてあげてください。

 その際、ひとつだけ注意していただきたいのが、言い方が異常(攻撃的)なケースがあることです。言われた言葉を文字に起こすと、そんなにひどいことを言ってないように感じてしまうことがあります。言い方が攻撃的である、かなりの怒りが込められているなど、言われた本人しか感じられない異常性もあります(経験有)。このケースは長期間かけて心身がむしばまれていきますので注意が必要です。可能であれば、動画や音声を保存した方が良いです。

 何も知らずに、こういう攻撃を受け続けると最悪の場合「命を絶つ」ところまでいく危険性があります。大人であっても子どもであっても、こういったことで人生を失わないでください。守り抜いてください。正しい知識と対応を記憶に留めておけば、最悪の事態は避けられるはずです。

 大切な人の命を守ることに全力を尽くすこと、その方法を大切な人と共有すること。備えあれば憂いなし。相手を大切に思う気持ちとそれに対する感謝……それが何よりのお守りです。

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