放デイ職員のやりがい【体験に基づいたお話】 | ボクの人生、預かり所。

放デイ職員のやりがい

放デイ職員のやりがい 放課後等デイサービス
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 放課後等デイサービスにおける子どもたちとの関わりを通して起きた良い変化を取り上げ、仕事のやりがいについて考えます。放課後等デイサービスで働きたい方、働くことを検討されている方々のお役に立てば幸いです。

 全国には様々な事業所があり、様々な労働環境があります。私が勤めた事業所の例は、記事「放デイにおける労働環境とは」をご覧ください。良い労働環境で子どもたちの支援をできることが、放デイのあるべき姿です。

 当記事では、放デイの良い部分に焦点を当てます。仕事自体はとてもやりがいがありますので、労働人口が増えることを願います。

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良い変化が見られた

新しい知識が増えた

 学習指導や宿題指導、活動、普段の関わりなどを通して、新しい知識が増えると子どもたちは嬉しそうです。読み書き計算をはじめ、物の名称、地名、人の名前、遊びのルールなど生活に関わるあらゆることが知識の対象になります。

 その子の興味や関心によって、その対象は様々ですが「これ〇〇っていうんだよ」「昨日、〇〇食べたよ」「〇〇(遊び)のやり方覚えたよ」などと教えてくれたり、「この問題どうやって解くの?」「これ何ていうの?」などと意欲的に質問してくれたりします。その表情は輝いています

新しいことができた

 生活指導や普段の関わり、声かけなどを通して、新しい行動ができるようになると支援する側としては嬉しいものですね。今までできなかったことができるようになっていく。誰もが通る道なのかもしれませんが、それでも素直に嬉しかったです。

 子どもによって獲得する行動に違いはありますが、生活動作(服や靴の着脱と整頓がきる、手洗いうがいができる、トイレをきれいに使える、あいさつ・返事ができるなど)対人関係(他の子と遊べる、対等な関係が結べる、言葉でトラブルを解決しようとするなど)の変化がありました。

 集団の中での行動(静かに話を聞ける、手を挙げて自分の意見を言える、返事ができる、みんなの前で意見が言えるなど)にも良い変化は見られました。

 スムーズに獲得できる行動ばかりではありませんが、その過程を継続的に見ている分、できた時の喜びは一入ひとしおです。

思いやりの心が育った

 職員や友達を手伝おうとする姿も見られました。「僕が持つの手伝うよ」「私が拭くよ」「僕が取りに行きます」「私が(その役目を)やります」など意欲的に手伝う姿がありました。「何か手伝うことありますか?」と聞いてくる子もいて、感心してしまうことも。

 子どもたちを見ていて、手伝うことで相手が喜んでくれるのが嬉しいのではないかと感じました。損得ではなく、純粋に尽くそうとするその気持ちが嬉しいですし、良いことなのでたくさん褒めました。

 また、人が困っていることに気づいて自発的に行動し、助けようとする子もいました。手に力が入りにくい子が物を取れない様子を見て、さり気なくそばに寄せてあげたり、歩きにくい子が通る時に物をどけてあげたりしていました。(他にもありますが、かなり限定的なため控えます)

 あまりにもナチュラルな行動で、態度もまったく変わりません。大人でも中々できません。私は視覚的に気がづいたので、その場ではなく事後に話しかけ、個別に褒めました。すると、少し微笑んで「僕は普通(のこと)だと思います」と言いました超カッコいいですね。

 その後もそういう行動は何度も見かけました。その度に褒めました。何が嬉しいかと言えば、助ける行動自体もそうですが、それまでそういった行動がとれなかった子に見られた良い変化であったことです。心的な成長を感じられたことが素直に嬉しかったです。

 褒めたことで行動が強化され、放デイはもちろん家庭や学校でも同様の行動が増え、保護者の方も喜んでいました。

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指導や声かけの成果が出た

 指導や声かけの基本は、CCQです(詳細は「放デイにおける指導法とは」参照)。加えて私は『自信』『自己肯定感』を高める関わりを心がけました。

 それは特別難しいことではなく、物事を肯定的に捉えるだけです。何か失敗した時に「ダメだ!」「何やってるの!」と言うのと「次頑張ろう」「今度はどうしたらいいか考えてみよう」と言うのとでは、どちらが子どもの自尊心を損なわないか……一目瞭然ですね。

 「○○しなさい!!」も、「○○しよう」「〇〇します」「〇〇するよ」と語尾を変えるだけで肯定的な印象になりますね。威圧や恐怖に頼る指導は、もう卒業しましょう。科学的に否定されています。

 そのような関わりを実践していく中で、自信を持って(明るい表情で)行動できる子が少しずつ増えてきました。※私の主観です

 それに比例するように、私に対する子どもたちの言動にも変化が見られました。「ゆうたん先生、最高!」「ゆうたん先生、大好き!」などと言ってくれる子もいました。言葉にできなくても、にこにこしながら話しかけてくる子もいました。子どもたちとの関係ができてきているようで、嬉しかったです。

 職務上必要なことのひとつなので、子どもたちの最善を考えるという意味において、普通に実践をしていました。

 しかし、こういう光景を悪である(甘やかし)と捉える職場でした。別の記事(「放デイにおける指導法とは」)にも書いたように、実践しているのは私だけですし、配属先(教室)によっては直接非難(否定)されることもありました。

 どのような扱いを受けようとも「肯定的な声かけ」≠「甘やかし」であることは譲りませんでした。優しく声をかけますが、いけないことはいけないと伝えます。その子の存在を否定しないように伝えます。ただそれだけです。その子の将来や心の発達を考えれば自然とそうなります。そうやって行動を獲得したり修正したりした方が、後々の問題(二次障害など)のリスクを下げられるメリットもあります

 私の場合は、子どもたちへの肯定的な関わりが、「職場の方針に従わない」という烙印に繋がってしまいましたが、大半の職場ではそのようなことはありません。それでも念のため、入職する際には、指導方法や関わり方、声かけの基本的方針について、しっかりと確認をした方が良いでしょう。

 面接の際、「自己肯定感を高める指導や声かけをします」「温かく優しい言葉をかけます」とはっきり言ったのにも関わらず採用し、子どもを怒鳴ることや泣かせることを強要されました

 同じ行動を獲得するなら、自信を持って生きている方が幸せだと思いますけどね。

まとめ

 発達には個人差がありますが、様々な知識や行動を身に付けること、色々な体験を通して心や身体が発達していくこと。それを支援し見守ることや、子どもの変化を感じられることが放デイ職員のやりがいと言えるでしょう。

 そのために放デイ職員は、子どもたちのことを常に考え、多くの業務をこなしています。詳しくは、『分掌』という単語が入っている関連記事をご覧ください。

 知識や行動が増えることも大切です。体験を通して心身がより良く発達していくことも大切です。そして、子どもたちが自信をもって、自分を大切にしながら生きていけることも同じくらい大切なことなのです。

 放デイで仕事をされている方も目指されている方も、ぜひ温かい言葉が飛び交う集団作りにご尽力いただきたいです。自信のもてる子どもたちが増えていく良い連鎖を繋げていきましょう。

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