【気をつける4つのこと】境界性パーソナリティ障害の特徴【体験者が語る】 | ボクの人生、預かり所。

境界性パーソナリティ障害の特徴

境界性パーソナリティ障害の特徴 B群パーソナリティ障害
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 私は自己愛性・境界性パーソナリティ障害(傾向者含む)の可能性が否定できない人から被害を受けました。別人でしたが、前者は理不尽な怒りをぶつけられ、後者は振り回されるという異なる種類のダメージを受けました。

 精神的なダメージは大差なく、理不尽なことには違いがないのですが、唯一異なるのは『証拠』でした。境界性は客観的な証拠を大量に残したので、こちらの正当性を立証することができました。

 境界性の場合は、振り回されること自体が怒りに変わりますが、『証拠』さえ意識して立ち回れば、相手の異常性を第三者に伝えることは可能です。ターゲット(攻撃対象)に執着しますので、周囲に対する配慮はおろそかになりがちです。振り回すことでダメージを与えてくるという特徴があります。

 境界性パーソナリティ障害(BPD)の特徴の概要については、記事「B群パーソナリティ障害の概要」で解説しました。なお、言動には個人差があります。

 人を巻き込む、ダメージを与える部分について例を挙げますが、実在のものとは一切関係ありません。家族以外の人間関係に対するもののみを取り上げます。

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境界性パーソナリティ障害と出会う確率

 最大で人口の約4%存在するといわれます。出現率の高い年齢は19~43歳で、生涯有病率は約6%です。有病率には男女差はほとんどありません。しかし、診断されるのは圧倒的に女性が多いです。男性は同じB群の「反社会性パーソナリティ障害」、「自己愛性パーソナリティ障害」と診断されることが多いためではないかといわれています。

 ※詳細は「ウィキペディア (Wikipedia): フリー百科事典」、境界性パーソナリティ障害の項参照

 NPDが約6.25%でしたから、同程度か若干少ないようなイメージですね。ある程度の人間関係を結ばないと発動しないので、生活上遭遇する確率はさほど高くありません。

 職場や団体など所属が同じか、家族や恋人、友達などある程度近しい関係で発動します。

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危険察知ポイント①『出会い』

 初対面から数回程度で、まだそんなに関係のできていない時期に、自身の辛い過去について話し出すことがあります。本当かどうか確かめようのない内容のものです。

 同情を誘い、主導権を握ろうとします。可哀そうな自分を演出して、それを盾に自分を守ろうとします。これは、後の人間関係の伏線となります。この障害傾向を知らなければ、ここで気づくことは不可能です。

 そういう辛い経験があると知っていて、指摘や注意をする(理解のない)あなたは「なんてひどい人間なの!」という扱いをするための伏線です。どんな経験があったとしても、ミスや間違いがあれば、人道的な範囲において、指摘や注意をされるのが一般的です。

 しかし、自分の思うようにならなかった時に、「あなたはひどい人」と返すのは、相手に罪悪感を植え付けるのが目的だからです。そうすることで、自分の望むように相手を動かしたいのです。相手の良心につけ込んできます。

危険察知ポイント②『二極思考』:「理想化」・「脱価値化」

 とにかく人を褒めます。職場なら「あの人はすごく仕事ができる」「あんなにすごい人を見たことがない」、恋人なら「こんなに良い人はいない」「こんなに優しい人なんていない」「大好き」など、大絶賛します。これを『理想化』といいます。

 その一方で、今度はとにかく人をけなします。「全然仕事ができない」「大した人じゃなかった」「こんなにひどい人だった」「大嫌い」など、悪口や罵倒でひたすら非難します。これを『脱価値化』といいます。

 理想化や脱価値化の仕方(伝え方)には、口頭の他、電話やメール、SNS、ゲーム(チャット)、手紙など関わり(伝達)が可能な手段の全てを利用する可能性があります。

 同じ人に対して、数時間~数日の間で『理想化』と『脱価値化』を繰り返します。褒められて喜んでいたら、同日~数日後に真逆のことを言われます。言われた側は、訳が分からなく混乱します。これが何回か繰り返されると、言われた方が「何かおかしい」と気づき始めます

 0か100かの『二極思考』であり、中間が存在しません。人には長所と短所があることが理解できません。良い部分をみれば「最高の人」で、悪い部分をみれば「最悪の人」、という認知しかできないのです。

 言っていることが真逆(二極化)であることを指摘すると、「最悪の人」と認識され激しく怒ります。何があったとしても、関係を続けている以上は、「理想化」「脱価値化」を繰り返し続けます

危険察知ポイント③『人を操作する』:「試し行為」

 通常量を超えて薬を飲む、自らを傷つける、命を絶とうとするなどの『自己破壊行動』を知らせてきます。相手の出方を見ています。慌てて駆けつけるのであれば、大切にされていると感じ、一時的に心が満たされます。相手にしなければ、何てひどい人間なのと『脱価値化』します。

 自己破壊行動のお知らせがきた場合の正しい対応は、救急車を呼ぶことです。来てもらえないので、住所や家の場所を知らない相手には知らせません。こうしたことが昼夜問わず起き、振り回され続けることで、心身ともに疲弊していきます。

 境界性パーソナリティ障害には、自己破壊行動を伴わないタイプも存在しますので、心に留めておく必要があります。

 仕事を辞めるとか、交際(関係)を終わりにするとか、そういう話題をほのめかします。その理由をなんだかんだと並べますが、結局いつまで経ってもそれが実行されることはありません。なぜなら、引き留めてもらうことを目的としているからです。

 「そんなことない」「考え直して欲しい」「辞めないで」「別れないで」と言われたいのです。そう言われることで、自分という存在を確認し安心するのです。

 深く考えた上での決断なら…と意思を尊重しても、辞めませんし、別れません。「何てひどい人なの!」と言われるだけです。

 自分の思うように人が動くように『操作』しているのです。なので、思うように動こうが動かまいが繰り返します(理由は後述の危険察知ポイント④参照)。ここまでくると、ほとんどの人がはっきりと「おかしいな」と感じます

危険察知ポイント②・③の補足

 どちらも繰り返すと書きました。『脱価値化』で怒った際、どのタイミングかは分かりませんが、記憶が飛んでいます。リセットされるという表現でもいいかもしれません。少し時間が経った後(早ければ数時間後)、何事もなかったかのように連絡や話をしてきます

 出来事自体を忘れたわけではないと推測できますが、怒りの感情もなくなっています。許す、許さないも完全に消え去り、出来事の話さえ振ってきません。そこに違和感を覚えます。

 あんなに怒って、一方的にひどい言葉をぶつけられ、ものすごく嫌な思いをしたのに、しれっと普通の話をしてくる。当然、謝罪もなければ和解などもしていません。どのような神経をしているのかと疑います。

 相手が100%悪いという向こうの主張(決めつけ)がおかしいので、被害側がそう感じるのです。怒ったことも記憶から消えているだろうし、悪いことをしたなどとは一切思っていない風に感じてしまいます。

危険察知ポイント④『心的背景』『限定的攻撃』

 境界性パーソナリティ障害(傾向者含む)の根底には、見捨てられることに対する不安が根深く存在しています。人を操作し、思うような反応を得ることで、「自分は見捨てられないんだ」と確認するのです。その確認は一度だけでなく、何度も何度も続きます。そういう理由で、危険察知ポイント②・③の行動を永遠に繰り返します。

 その行動を繰り返す対象は、特定の人物に限ります。いわゆるターゲットを作ります。恋人や友人、職場の人など関わりのある人の中から選ばれます。

 ターゲットにしかそういった行動を見せないため、周囲が気づきにくく、被害が理解されにくいのです。そのため、複数の人の目がある環境よりは、個人対個人で付き合っている環境(恋人や友達、同僚など)の方が被害は甚大になる傾向があります。

 危険察知ポイント①・②・③の行動によって、ターゲットに罪悪感を植え付けるため、「自分が悪いのではないか」「あんな辛い体験をしてきた人を見捨てるなんて自分はひどい人間だ」という思いに駆られます。

 そう思う時点で『操作』されているわけですが、そうやって人が通常持っているであろう良心につけ込みます。逆に言えば、良心のある人をターゲットに選びます。つまり、ほとんどの人は選ばれる可能性があるということです。

 真逆の言動を目にしていて、間違いなくそれがおかしいと感じたら、すぐに距離を置くか関係を絶ちましょう。

 おかしいと感じているにもかかわらず、自分が悪く感じたり、絶つことに罪悪感を感じたり、自分が何とかしたいと思える場合は、『共依存』のステージに突入していきます。

 『共依存』とは境界性パーソナリティ障害(傾向者含む)の理不尽な攻撃や振り回すような言動に耐えて尽くすことで、何か改善するのではないかと、関係を続けていく人のことです。振り回されること自体に自分の存在価値を見出し、関係を続けることに依存している状態です。

 改善が必要な状況です。関係を続けるのであれば、専門機関の力を借りながら改善を目指すというのが最も建設的です。

危険を察知したら

 BPDは対人関係の障害といわれます。ですので、BPDにおいては『危険察知ポイント①~④』を参考に、「攻撃されている」「振り回されている」「操作されている」「主張に一貫性がない」など理不尽に感じることが2~3回続いたら、危険を察知し、適切な距離をとりましょう。

 ターゲットにならないのが何よりですが、なったとしても対応は早ければ早いに越したことはありません。被害期間と心の傷には相関関係があります。長ければ長いほど傷は深くなり、回復までの時間が長くなります。

 解決方法は離れることしかありません。しかし、それを許さなかったり、追いかけてきたりすることがあるので注意しましょう。どうしても関係を絶つことができず、家に押しかけてきたり、待ち伏せされたり、付きまとわれたり、電話やメールをひっきりなしにしてくるなどプライベートに影響がでることも十分起こり得ます。

 そのような場合は、『(そういったことを)やめて欲しい』『(あなたと)関係を断ちたい』などとメールやSNSなど客観的な証拠が残る方法で、明確に拒否の意思を伝えましょう。もちろんそのやり取りは全て保存しておきます。

 拒否の意思を伝えておくことが何より重要です。それは何故でしょうか。拒否をしたのにも関わらず、同様の行為がなくならない場合、ストーカー行為として扱うことができるようになるからです。

 ですので、拒否の意思を伝えた証拠をはじめ、着信履歴やメール・SNSの履歴、音声・動画などの客観的事実に基づく証拠を揃えて、近くの警察署に相談しましょう。

 プライベートまで踏み込んでくることはなくても、職場などで困っているというケースもあります。その場合、職場内に相談や対応を期待できる部署・機関などがあれば積極的に利用しましょう。

 相談の際は、音声や動画、メール履歴、着信履歴など困っていることを主張するための客観的証拠があった方が、スムーズに話が進みます。

 所属長や同僚などと協力、共有できるのであれば、それを利用しましょう。異動を申し出るのも選択肢のひとつです。 内部に期待できない場合は難しいですが、環境が変わる可能性がなく、心身に実害が出始めているようでしたら、辞めるのも選択肢として考えなければなりません。

選択肢は限られる

 やられっぱなしは悔しいという気持ちは分かります。例え、一方的かつ破綻した行動や理論に散々振り回されたとしても、全力で『離れる』ことをお勧めします。気持ちは体験者として痛いほど分かります。しかし、異常さに異常さで対抗することは、自らも異常であることを意味します。

 境界性パーソナリティ障害者(傾向者含む)は、例え相手が怒り狂っていたとしても、関わり自体をエネルギーにします。相手との関わりがあること、すなわち見捨てられないことが救いになるのです。接点があれば、理不尽な言動をターゲットに浴びせ続けることができるからです。関係を絶つこと。それが唯一にしてこの上ない方法です。

 どうしても我慢ならない場合には、先に書いたような証拠を揃え、法に則り、慰謝料請求などを行ってください。

 被害後に感情を抑えるのは、とてつもなく難しいことは身を持って体験しました。しかし、法で裁ける部分を粛々と確実に裁くこと。これ以外の方法を選択してはいけません。

 前向きな意味で手に負えない相手からは離れるに限ります。誰ひとり幸せになることはないからです。自らの幸せのために、怒りを堪えて離れましょう

 早期察知、早期対応をするために、こうした傾向の特徴を正しく知りましょう。そして、客観的に現実を分析し、冷静に対応を考えます。そういう形で、みなさんや周囲の方々の大切な人を守るための行動に繋げていただきたいです。

 落ち着いて確実に行動すれば大丈夫です。 知らずに対応するのは怖いですが、すでにみなさんは特徴を正しく知っているのですから。

 心穏やかな生活が続いていくことを心からお祈り申し上げます。

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