【ブラック回避】放課後等デイサービスの選び方【最長12年過ごす】 | ボクの人生、預かり所。

放課後等デイサービスの選び方

放課後等デイサービスの選び方 放課後等デイサービス
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 希望する大まかな施設の形態が決まったら、肝心な「放デイ」の事業所を選びましょう。最長の場合、12年も過ごす場所ですから、慎重に選びましょう。放デイの特色や選ぶ時の注意事項などを知り、お子さんにとってより良い環境を選択したいものです。

 お子さんを傷つけるような環境を選ばないことが何より重要です。ですので、当記事ではいわゆるブラック施設を回避するという視点で解説をしています。

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放課後等デイサービスの特色

 まず前提として、放デイで行われる活動は「療育」であるということです。

 療育とは、心身の発達及び障害の特性といった、それぞれの個性に応じた支援をいいます。生活する上での困り感やこだわりとの付き合い方を学んだり、自立へ向けた支援をするなど、個々の特性に応じた支援が行われます。子どもたちが社会へ参加していけるよう、懸命に支援してくれます。

 さらに療育は「個別療育」、「集団療育」、「併用(個別・集団)」に分かれます。併用している事業所では、施設ごとまたは活動内容により使い分けています。

 そして、活動内容も様々です。事業所には必ず施設の「売り」があります。前面に出してアピールしている、言わば強みや得意分野があります。具体的には―

 学習支援、運動療法(スポーツ含む)、音楽療法、ソーシャルスキルトレーニング(SST)、感覚統合療法、作業療法(日常生活動作・ミュニケーションの方法・遊び方など)、TEACCH(自閉症などに用いられる心理社会的療法)、特定の能力を伸ばす(例:パソコンを用いたプログラミング・word・excelなど)。

 このようなものがあります。それ以外にも基本的な活動として、お出かけや公園遊び、散歩など体を動かす活動がありますし、昼食やおやつ、お昼寝といった落ち着いて過ごす活動もあります。もちろん他の子どもたちと遊んだり、一人で好きなことに取り組んだりといった自由に過ごせる活動などもあります。 

 もちろん施設によって、平日か休日かによって、利用児童の特性によっても変わってきます。細かいサービスやルールなどは施設によって異なります。

 一方、多くの施設に共通しているのは、送迎のサービスがあることです。「学校-施設間」、「施設―家庭間」それぞれ送迎をしてくれます。保護者にとっては、とてもありがたいサービスのひとつですね。

 ホームページやブログ、SNSなど公開されている情報があれば熟読してみましょう。お子さんの特性に合わせた施設選びは何よりも重要です。さらに保護者の意向にもある程度沿っている放デイを選ぶようにもしたいですね。

 支援目標や基本的な支援方針、売りにしている活動内容にある程度納得がいったら、次にするのは施設見学です。候補は最低2施設以上探しましょう。その理由は3つあって、ひとつは「空きがなく受け入れてもらえない可能性があるから」です。もうひとつは「活動を体験させてもらい、お子さんの様子、反応を見て判断して欲しいから」です。最後のひとつは、次の項で説明します。

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施設見学をする際の注意事項

 定員にも空きがあり、受け入れ可能な施設が見つかったら見学をさせてもらいましょう。実際に活動している時間にお願いしましょう。

 休業していないのにコロナのせいにする、他児への影響が懸念されるなどそれらしい理由をつけて活動中の見学を拒否された場合は、ほぼブラックですので、他の施設を見学しましょう。ほとんどの場合、見学可能日を教えてくれるか、都合をつけて見学を受け入れる方向で調整してくれます。

 さて、いよいよ施設見学です。先にも述べましたが、実際に活動を体験させてもらい、お子さんの様子や反応を見てください。お話ができるお子さんでしたら、後で感想を聞いてみるのもよいでしょう。

見るべきポイント①「施設」

 お子さんの様子以外に見るべきポイントのひとつめは、施設の機能はどうかという点です。施設の新旧もそうですが、どんな部屋があるのか広さはどうか、設備や玩具・本などは充実しているかも実際に見たり感じたりしましょう。分からない点は遠慮なくスタッフに聞きましょう。

 他にも耐火性、耐震性など安全面についても知りたいですね。防火設備や災害時の対応マニュアル、引き渡しのルールなどについて聞いてみるのもよいでしょう。山・海・川などの近くや低い土地にある施設の場合、土砂災害や津波、浸水などについての対応マニュアルも作成されているか確認しましょう。

 大切なお子さんの『命を守る』という意識が高い施設に預けたいですね。

見るべきポイント②「大人」

 見るべきポイントのふたつめは、どんなスタッフがいるかという点です。基本的には、児童指導員か保育士で構成されています。看護師がいる場合もあります。令和3年度の報酬改定を受け、今後は作業療法士、理学療法士、言語聴覚士、心理指導担当職員などが配置される可能性もあります。改定前からいる場合は、とても素晴らしい施設ですね。

 児童発達支援管理責任者(通称:児発管)が保護者と面談をし、子どもの支援計画を立ててくれますが、基本的には裏方のことが多いです。中には支援で現場に入っている児発管もいるようです。

 対人支援においては、やはり職種や肩書きよりも人柄が大事です。子どもへの声かけや指示などの伝え方はどうか。にじみ出ている人間性を感じてみてください。預かる側が上ではないので、信頼できそうか、子どもや保護者を大切にしてくれそうかを見極めるようにしましょう。違和感がなければ大丈夫です。

見るべきポイント③「利用児」

 見るべきポイント最後の3つめは、他の子どもたちの感情表出が自然かどうかです。これが最も重要だと思います。虐待まがいのスパルタ式(威圧)で統制をとっている放デイは、子どもたちがしゃべることもなく、黙って指示に従う特徴があります。

 活動内容に興味を示して反応したり、喜んだり笑ったりといった感情を自分から出すことを一切しません。指導員が不自然なくらいに盛り上げると、感情を出してよい場面だと理解し、感情を表出します。感情がないわけではないのですが、完全に条件付けられており、そこには不自然さや違和感があります

 複数の施設を見学していただきたい理由は、そこにあります。複数を比較して、ひとつでもそういったおかしな施設があれば気づくことができるからです。子どもたちが楽しそうに、自然な感情で活動していれば、どこを選んでも大丈夫です。

 ひとつしか見学しなかった場合、そこがブラックだったら気づくことは困難です。お子さんの大切な人生ですから、人間らしくのびのびと活動できることが何より幸せです。

 大人は演じることができても、子どもは普段通りです。大人の働きかけに対する子どもの表情や行動、動作をよく見てみましょう。子どもたちの様子に自然さを感じれば、安全な放デイだと言えます。

 職員と子どもの比率も見てみましょう。子ども10人に対して職員3人が目安になります。以降子ども5人ごとに職員を1人増やさないといけません。これより多い分には問題ありませんが、少ない場合は注意しましょう。基本的な規則を守ることができない事業所です。

まとめ

 ご紹介した視点は、あくまでも感情の表出や言葉でのやりとりができる子どもを想定しています。お子さんの特性によっては、見分けにくい場合があります。あらかじめご了承ください。

 近所の放デイだったり、知り合いが利用している放デイであれば、口コミで情報を収集するのも手段のひとつでしょう。実際利用する中でも、指導員の入れかわりが激しかったり、大量の指導員がいなくなったりする事業所は特に気をつけましょう

 子どもが行きたがらない場合などは、細心の注意を払って理由を聞きましょう。非常に責め感が強い声かけが行われていたり、他児からいじめを受けていたりする可能性があります。どちらかもしくはその両方が疑われる場合で、子どもに怯えなどの違和感がある場合には、レコーダーを鞄などに入れることなども検討すべきです。

 上手く言葉で伝えられないお子さんの場合は、普段の様子と違うところはないか、日々感じることを大人の側が習慣化してあげてください。

 というわけで、実際に見て、感じて、聞いて、体験してから最終的な判断をしましょう。シンプルだけど、これが一番大切なのです。

 お子さんは様々な環境の中で大人になっていきます。放デイでの温かい環境がお子さんの成長や自信、ひいては自己肯定感につながっていくことを願っています。それぞれの特性と上手く付き合っていける大人になることができますよう、心よりお祈り申し上げます。

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