【構造はシンプル】いじめ事例に共通するメカニズム | ボクの人生、預かり所。

いじめ事例に共通するメカニズム

いじめのメカニズム 教育問題
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 2017年から2018年にかけて、静岡市の小学校で5年生の男児がいじめを受け、不登校になったという報道について分析するとともに、いじめのメカニズムを解明します。

 いじめに関しては、パーソナリティ障害B群の概念(ほとんどは自己愛性パーソナリティ障害、暴力や違法行為が伴う場合は反社会性パーソナリティ障害:ともに予備軍を含む)で説明ができます。いじめてしまう心理も、これらで説明ができます。

 前提となる各パーソナリティ障害の説明は以下の記事をご覧ください。

 >>自己愛性パーソナリティ障害の特徴<<

 >>B群パーソナリティ障害の概要(APDの項参照)<<

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いじめとは

 児童等に対して、当該児童等が在籍する学校に在籍している等当該児童等と一定の人的関係にある他の児童等が行う心理的又は物理的な影響を与える行為(インターネットを通じて行われるものを含む。)であって、当該行為の対象となった児童等が心身の苦痛を感じているものをいう。

文部科学省「いじめ防止対策推進法(平成25年) 第2条(抜粋)」

 この定義では、心身の苦痛を感じた時点で「いじめ」となります。定義が緩和されたことで、対象となるケースも増え、子どもを守るという意味では前進しました。ただ、本当の意味での前進は、現場での対応が適切に行われてこそです。

 いじめが原因と思われる自殺の報道は後を絶ちません。いじめの現場を目撃していても、何の対応もしない学校もあり、隠ぺい体質である印象は拭えません。人の命を何とも思わない教育者は何を教えているのでしょうか。

 いじめ行為も複雑化・多様化しています。からかい、無視、仲間外れ、暴言、犯罪(暴力・性的暴力・金銭要求・窃盗・器物損壊など)という行為を直接受けたり、強要されたりします。また、同様の行為がSNSやインターネット上で行われる場合もあり、巧妙化しています。

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ケースのいじめの実態

 報道されている内容によると、クラス全員からいじめを受けたとのことです。肉体的な暴力、言葉による精神的な暴力ともにあり、心身の両面を傷つけられています。

 また、担任もその場にいて目撃していながら、何の対応もしませんでした。そればかりか、担任からも嫌がらせを受けていました。クラス全員の前で叱責する行為、他の児童とは異なる対応(その児童の提出物だけ評価しない)などがあったと児童は訴えています。

 被害児童には、何も問題がないのです。もし著しく周りに迷惑をかける児童であれば、学校内で対応が検討されます。大人しかったとか、人とは違う特徴が何かあったとしても、ここまでのことをされる理由にはなっていません。攻撃する側が攻撃を正当化するための言い訳にすぎないのです。自分以外、担任も含め全員敵ですよ。どんなに辛い日々だったか容易に想像できます。

ケースの分析

 後述しますが、このケースで考えられるパターンはふたつあります。そのどちらにも共通しているのは、「担任教諭は自己愛性パーソナリティ障害(予備軍を含む)」の傾向があるということです。

 対象児童(ターゲット)に対して嫌がらせをしていること、対象児童(ターゲット)に罪悪感を植え付けて自尊感情を削っていること、この2点から「自己愛性パーソナリティ障害(予備軍含む)」の可能性が高いと言えます。

 いじめや嫌がらせを止める立場であるはずの教員が逆のことをしていますし、それを何とも思わない(罪悪感を抱かない)感覚の人なのです。

 考えられるパターンのひとつは、担任教諭がいじめを先導したというものです。担任教諭の対象児童(ターゲット)に対する言動(異常性)を感じ取ったクラスの児童たちが、「あの子はいじめてもいいんだ」と思うことで、いじめが発生し、常習化し、エスカレートしていったというケースです。

 子どもたちを“錯覚”させ誘導することで、操作・コントロールしています。言い換えるなら“洗脳”ですね。集団洗脳。洗脳する内容がよろしくないので、教育的な意味でも人道的な意味でも問題があります。

 もうひとつのパターンは、子どもによるいじめが先にあったというものです。この場合、いじめを仕掛けた子も「自己愛性パーソナリティ障害予備軍」(18歳未満の診断は慎重に行う必要があるため、予備軍と表記)であるというケースです。

 身体的な暴力もあったようですので、そういう児童は「将来、反社会性パーソナリティ障害と診断される可能性がある」ケースです(こちらは18歳未満は診断できないため、この表記とします)。

 いずれにしても、いじめ問題が顕在化した後において、担任教諭も注意・指導するばかりか、一緒にいじめているので、担任教諭が異常であることには変わりがありません。

経過

 被害児童は転校を決断しました。自己愛性パーソナリティ障害(予備軍含む)による被害を減らすには、悲しいかな『離れる』しかないのです。だから、悔しいけれどこれも選択肢のひとつです。それでも、離れた後も「うつ」や「PTSD」、「フラッシュバック」など長期間に渡りダメージを受けるのです。

 学校のいじめ対策はどうなっていたのでしょうか。他人をいじめたり攻撃したりすることを行動に移してしまう時点で異常であると思うのです。日本は加害側が守られる、優遇される国なのでしょうか。個人の気に入る、気に入らないで、他人を攻撃・排除する人格傾向をもった人の集団における危険性は広く認識していただきたいところです。

 学校側の対応がお粗末であったとするなら、転校は最善の選択であると思います。正常な組織や集団であれば、加害側に問題があると認識し、そちらに対する指導がなされます。

 いじめなど人間関係のトラブルでは、加害側は言った言わないに持ち込みますから、録音・録画・画像・実物などの証拠を残しましょう。その異常性を証明し慰謝料を請求することはできます。しかし、法に触れなければ処罰されることはありません。例え処罰されたとしても、傷ついた心が元通りになるわけもありません

予防するために

 他人を攻撃しておいて、それを楽しんでいる、平気な顔をしている人がいます。ここでいう攻撃とは、筋の通らない言動、暴力、ハラスメント、いじめなど他人が苦痛を感じるもののことです。

 いじめ問題においては、攻撃の有無の他に人対人で捉えた時に上下ができているかどうかにも注意が必要です。対等な人間関係ではない場合、その危険性を早急に察知しなければなりません。

 いじめをしてしまう人間の心理的特徴として、上下関係にこだわる傾向があります。いじめる側が上で、相手(ターゲット)が下なのです。ですから、下の相手に何をやっても罪悪感は存在しません。上の自分が満たされることが最優先だからです。

 相手との関係性が人として平等でないなと感じたら、それは危険であることをお子さんに伝えてください。それは自分の心身の健康を守るための行動です。親にはお子さんの学校の様子は見えませんから、その日あったことを親子で会話できるような信頼関係を築くことも大切です。

 話をする際、子どもの意見や考えは丁寧に聞きましょう。もし嫌なことや辛いことを訴えた場合には、大人の価値観で「大したことない」などと否定してしまうことは避けましょう。お子さんがどのように感じ、どのように受け止めているのか細部まで聞いてあげましょう。

 初期(1回目)から「もしかしたら危険な人かも」という視点を持って行動できれば、深刻な致命的ダメージは回避できます。特定する必要はありませんが、仮説を立てて行動しましょう。気づくのが早ければ早いほど、ダメージが少ないのは間違いありません。

 自分を守るためには、自分と相手を客観的に捉え、相手の言動を冷静に分析しましょう。お子さんには難しい面もありますが、親の方が「気づく手助け」をしてあげてください。危険性を完全に否定できない相手とは距離をとってください。

 相手を変えることは難しいケースが多いです。相手が大人の場合は、価値観の変容は困難を極めます。子どもであってもその親が同様の傾向を持っていたら、大量のエネルギーを消費し、精神的に削られます。相手に変化を求める場合は、相手方の様子や出方を客観的にみて、相手の変化を期待できそうか否かを判断する必要はありますが、返り討ちに遭わないよう、慎重に見極めてください。話し合いの場では、常に録音しておくと安心です。

 いじめには、大人であれ子どもであれ、必ずといっていいほど自己愛性パーソナリティ障害(予備軍を含む)が絡んでいます。ご自分を、大切な人を被害から守るためにできることがあります。正しく知り、行動に移すことです。

 いじめ被害の予防や軽減をすることで、みなさんの心身の安全が守られることを心よりお祈り申し上げます。

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