人に対する印象の広がり方【ハロー効果】 | ボクの人生、預かり所。

人に対する印象の広がり方

人に対する印象の広がり方 心理関連
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 今回は、人に対する印象の広がり方について取り上げます。

 ある人を見て「いい人」「悪い人」などと印象を持つことがあります。それにはきっとそう思わせる何かがあるはずです。人はそれに縛られてしまいます。

 というわけで、今回は社会心理学の用語である『ハロー効果』をご紹介します。

 仕組みを知れば、人を正しく理解できますし、みなさんの生活においても役に立つはずです。知ることは幸せへの第一歩です。

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ハロー効果とは

 ある対象を評価する時に、それが持つ顕著な特徴に引きずられて他の特徴についての評価が歪められる(認知バイアス)現象のこと。光背効果、ハローエラーともいう。

 ハロー効果という言葉が初めて用いられたのは、心理学者エドワード・ソーンダイクが1920年に書いた論文である。

「ウィキペディア (Wikipedia): フリー百科事典」ー『ハロー効果』

 簡単に言うなら、以下のように感じてしまうことです。

 【顕著な特徴】だから、【〇〇(他の部分)】もそうに違いない。

 例えば、「顔がカッコいいから性格もいい人だろう」「サッカーができるから、他のスポーツも全部できるだろう」「金メダルを獲ったんだから、人格も優れているだろう」などです。

 ハロー効果は、例のように「良い特徴」から「良い部分」へ認知のゆがみが生じる場合もあれば、逆に「悪い特徴」から「悪い部分」へ認知が歪められる場合もあります。

 上記の例で言うと、「顔がカッコよくないから性格も悪そう」「サッカーできないから、他のスポーツも全部できなさそう」「金メダル獲れなかったんだから、人格もそれなりなんだろう」という感じになります。

 もうひとつ言うなら、「顕著な特徴」に引っ張られて、その後の認知も「顕著な特徴」の方向へ歪められます。

 相手を「良い特徴」で捉えている人は、例えばその人が良くない言動をした場合でも、「ストレスが溜まってたから」「大変な中頑張ってるから」「そういう時もあるよ」などと『良い方向へ』歪められます。

 逆に「悪い特徴」で捉えている人は、例えばその人が良い言動をした場合でも、「ただの偽善だ」「何か裏があるんだろう」「騙されないわ」などと『悪い方向へ』歪められます。

 人間には、このような認知の特徴があります。まずは、このような仕組みがあるということを知るということが大切です。

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具体例

 世の中にある例は数え切れませんが、独断と偏見で具体例を挙げます。「良い特徴」と「悪い特徴」セットでご紹介します。

【教育・福祉】

①「勉強できるから、他のことも何でもできそう」

「勉強できないから、他のことも何もできなそう」

②「素直な子だから、何でも言うことを聞くだろう」

「嘘をつく子だから、何にも言うことを聞かないだろう」

③「特技があるから、能力が高そう」

「特技がないから、能力が低そう」

【芸能・TVなど】

①「あの人が出した作品だから、良い作品に違いない」

「不祥事を起こした人の作品だから、内容も大したことない」

②「有名な人が勧める商品だから、良い物に違いない」

「よく分からない人が勧める商品だから、大した物ではない」

③「有名人のSNSだから、めっちゃ気になる」

「知らない人のSNS、気にならないばかりか存在すら知らない」

【街角・街中】

①「おしゃれな店だから、良い物を売っていそう」

「お店がボロいから、大した物を売ってなさそう」

②「センスある服を着てるから、良い人そう」

「センスない服を着てるから、色々残念な人そう」

③「あの店の口コミが良いから、料理も良さそう」

「あの店の口コミが悪いから、料理もマズそう」

④「行列ができてるから、良い店だろう」

「客がほとんどいないから、だめな店だろう」

⑤「清潔感のある人だから、しっかりしてそう」

「清潔感のない人だから、あんまり信頼できない」

⑥「良い事をした人の家族だから、きっと良い人だ」

「悪い事をした人の家族だから、この人も悪い人だ」

 人の数だけ、感じ方の数だけ例はあります。ごくごく一部にすぎませんが、ハロー効果はこのような形で生活と密接に関係しながら存在しています。

注意点

 ハロー効果と関わり合いながら生活をしていく上で、気をつけないといけないことがあります。それは、先に述べた―

 【顕著な特徴】だから、【〇〇(他の部分)】もそうに違いない。

 この中の、【顕著な特徴】については、個々の感じ方の違いはありますが『事実』です。しかしながら、【○○(他の部分)】は『未確認』であったり、『事実ではない』場合があります。もちろん『事実(印象・想像通り)』である場合もあります。

 ですので、【○○(他の部分)】は思い込みであることが往々にしてあるので、客観的な事実や実際に調査した結果などに基づいて、冷静に判断した方が良いでしょう。本当にそうなのか、という検討をする作業をしましょう。

 【顕著な特徴】自体が本当に事実なのかという検討も同時にできると良いですね。SNSなどの情報を鵜呑みにしてしまうということは、「情報や印象を操作されている」のだと自覚できるようになりましょう。確認ができないことを信じたり、断定したりすることには慎重な姿勢であって欲しいです。

 優しくて良い人そうと思って付き合ってみたら、他の事がルーズ過ぎてイメージが壊れた。そればかりか、家ではDV(鬼嫁含む)をする人だった。チックショー(違

 すごい特技を持っていたので、良いなと思って付き合ってみたら、嘘をつくし、約束を守らないし、自分のことを最優先する人だった。チックショー(違

 バズってる食べ物があったから、2時間行列に並んだけど、食べてみたらそうでもなかった。チックショー(違

 有名な人が勧める商品だから、良い物に違いないと思って買ってみたけど、ほとんど効果がなかった。チックショー(違

 人間は、物事の一部分だけをみて全体を判断しがちです。そこに潜む危険性を認識した上で、的確な検証・分析・判断ができると、さまざまなリスクを回避または軽減できます。

 多少の失敗は今後の糧になります。軽度なものであれば、勉強代と割り切ることができますが、そうでない場合には心身に傷を負うケースもあり得ます。

 偏見や差別、決めつけなどで人を心理的に縛ることにもつながる危険性も含んでいるので、正しく利用するよう心がけてください。

上手な付き合い方

 人間には良い部分もそうでない部分もあります。どちらを主として捉えるかで、人の評価は180度違うものになります。なので、人からの評価は話半分にして、真剣に受け止めない方が精神衛生上良いのです。

 もちろん自分を高める努力を怠ってはいけませんが、完璧(100%)である必要もないのです。例え98%まで高めたとしても、残りの2%をつついて悪く言う人は必ずいます。

※詳しくは「自己愛性パーソナリティ障害の特徴」の記事をご覧ください

 また他人を評価する際にも、良い部分に注目したいものです。悪い部分を責め立てるのではなく、良い方向にしていくにはどうしたらいいか、建設的に話を進めた方がプラスに作用するのは間違いありません。

 自己評価も他者からの評価も、他者の評価をする時も、客観的に捉えることが何よりも重要です。客観的な事実やデータ、情報などに基づいて冷静に判断します。

 自己評価であっても、「自分はこのようにしているのに」と思いがちですが、数値化したり、写真や動画、音声を撮るなど客観的に捉えるようにすると、正しく見つめ直すことができます。

 どのような方法を用いても、客観的に捉えられない部分があるときは、「分からない」という風に処理をしましょう。分かっている部分のみを認識し、推測が入らないように注意する必要があります。

 自分の幸せはもちろんですが、誰かの幸せを考える視点を持てると、生活が豊かになるかもしれませんね。そのために心理学は存在しています。

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